ご存知秋田名物「きりたんぽ鍋」。当店では創業(1970年)からの人気メニューのひとつ。
「他店には無い珍しい鍋物を」ということで、秋田出身の初代板長が提案。東京の割烹で修行した親方の手により、郷土料理「きりたんぽ鍋」は割烹風にアレンジされお客様に呈された。
以来、多くのお客様からのご提案を頂戴しながら、現在の関東風=砂町風「山び古きりたんぽ鍋」の味ができあがった。
この「きりたんぽ鍋」愛好家のネットワークは、業種を問わず、かなりの広域からお客様を運んでくださるのだ。
当店のきりたんぽ鍋をご紹介。
まずベースは、おしょうゆ味のこぶかつおだし汁。
房州や信州でとれた地鶏もも肉と砂肝が、だし汁にコクやうまみを加わえる。
脇役として、ごぼう・にんじん・せり、そしてあぶらあげ。
メインもさながら追加のご注文が多いこの脇役たちは欠かせない。
定番の白菜・ねぎ・お豆腐も大切。
「夏でも鍋物はやっているんですか」という質問は意外と多くの方からいただく。
答えは「ハイ、通年でおだししています。」
夏季はせりが入荷しませんので、代わってみつばで香りを楽しんでいただいている。
ぐつぐつと煮えたところで仕上げの一品、主役の自家製きりたんぽの出番。
きりたんぽの材料はよく、もち米と勘違いされているが、うるち米。
炊きたてのご飯をあたり鉢に入れ、すりこぎ棒で半づきにする。力の加減がとても難しい作業だ。
これを30センチの檜の棒に巻きつける。直径は5センチ。円柱形のやわらかい半づきご飯を、形を整えながらじっくり、ゆっくり焼いた後、1日ほど室温で乾燥させて仕上がり。
お客様には、棒を抜き取り2センチくらいの厚さに切り分けて呈される。
お餅とは違いすぐに柔らかく煮えるので、目が離せない。
まるで炊きたての新米を食べるかのような、風味とふわ?とした食感。
赤ちゃんをはじめ子どもたちにも人気。
たっぷりと割り下(出し汁)を足しながら、召し上がっていただく。
お好みで七味や一味をぱっぱっぱ…。やめられません。