ふぐには、トラフグ・シマフグ・マフグ・カラスフグ・ショウサイフグ・アカメフグ・サバフグなど、種類は多い。
その中で、もっとも美味しく最高級品とされるトラフグ(体長70センチ位 ムナビレのところに大きな黒い斑点がある)を当店ではお出ししている。
江戸の昔から、「血の道病に良き珍薬」と知られ、今日においても、風邪は言うまでも無く、婦人の冷え込み、肩こり、神経痛、そしてストレス解消に効果ありと聞くからいよいよ、重宝な食べ物である。
東京では、一般的に10月から3月ころまでフグ料理が食される。
大寒、一年を通じてもっとも寒い真冬が、ふぐの旬の最盛期。
その後、立春が過ぎ、寒が明けて余寒。雨水、啓蟄、と続き彼岸に進めば本物の春。
その頃までが「ふぐ料理」をお楽しみいただく好適な季節ともいえる。
ところが、産地である九州では夏でもフグを食する。夏フグも美味しい。無論、当店でもフグ愛好家のお客様は、一年中フグを楽しんでいる。
昔に比べ流通事情も手伝い、どの季節でも必ずフグが手に入るようになった。「食したい時が美味い時」とも言える。
当店人気のふぐ料理。なによりお馴染みは、「ふぐ刺し」と「ふぐちり鍋」。
そして、仕上げといってしまうには申し訳無く、このためにちり鍋は食されるともいえる「雑炊」。
秋からは『ふぐコース』としてお楽しみいただいている。
天下のぶぐと名を成したふぐが、日本料理の檜舞台に名優と称され、しかも「ふぐ料理」という一派を成し得たことは、
旬を同じくする白菜・春菊・葱・豆腐・等などの名脇役を得ていたからこそ。
良質なたんぱく質や脂肪・豊富な種類のビタミン・ミネラル……をたっぷり含む脇役の面々が持つ薬効という陰の力に支えられている。
大地のエネルギーをそのままいただく感じだ。
夏ふぐの季節に人気なのが「ふぐ皮の刺身」。
しこしことした歯ざわり、さっぱりとした食感。あさつきとモミジオロシそして、当店自慢のポン酢で召し上がっていただく。格別な、お酒のおつまみ。
ふぐの皮と身を、丁寧に煮詰めて仕込む「ふぐの煮凝り」も自慢の一品。そのコクとツルリとした食感が人気。
その他、「ふぐのから揚げ」「活ふぐのしゃぶしゃぶ」「ふぐ白子」などもご好評をいただいている。
なお、ふぐ料理は、ご予約のみで承っております。